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【花田紀凱の週刊誌ウォッチング】(234)
木曜朝刊、新聞各紙に載った『週刊文春』(11月12日号)の広告は異様だった。
「死を招く豊満『婚カツ』詐欺師●●●●34歳の『正体』」
周辺男性の不審死がからんだ例の詐欺女の事件。新聞各紙もこと細かに彼女のプライバシーや不審死に関して報じているくせにいまだに彼女の名前を出していない。
が、今週号の週刊各誌は実名で報道。新聞各紙、苦肉の策で●●●●としたのだろうがかえって目立つ。
少なくとも数件の詐欺では逮捕されているわけで、実名で報じてもよさそうなものだが、そこは“新聞の良識”とやらが許さぬらしい。
週刊誌では『アエラ』(11・9)が匿名、『週刊朝日』(11月13日号)は実名で堂々と顔写真も出している。同じ朝日新聞出版でこの違いはなぜ?
というわけで各誌競作だが、本文12ページ、グラビア3ページと力を入れた『文春』がやはり充実。被害男性周辺もよく取材。彼女の手口を徹底的に暴いて読ませる。嘘(うそ)の一例。
〈「お母さんは皇族の出身で、雅子さまからお手紙をもらったこともあるんです。体調を崩して、今は家政婦さんと二人で暮らしています。雅子さまはお見舞いにも来てくれました。お父さんは昔、セスナ機の離陸に失敗して死んでしまったんです」〉
こんな話にコロリと騙(だま)されてしまうのだから不思議だ。
『朝日』の取材も行き届いている。捜査ミスを指摘しているのはさすが。
今年2月、東京都青梅市の会社員がマンションの一室で練炭自殺。遺体が発見された際、
〈「練炭の購入元、購入人物の捜査を怠っていたのは致命傷。購入元をあたっていれば本人が買ったか否かがすぐわかり、事件性の有無が判明していたはず」(捜査関係者)〉
その報告書が2カ月以上、隠蔽(いんぺい)され警視総監が激怒したという。
(『WiLL』編集長)