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【書評】『洋梨形の男』ジョージ・R・R・マーティン著、中村融編訳 (1/2ページ)
■「背徳」香る濃密なホラー
どこか奇妙な味わいがある海外文学の名作を集めた「奇想コレクション」シリーズの最新刊である。大河ファンタジー「氷と炎の歌」シリーズで知られる、ジョージ・R・R・マーティンの短編集。ブラム・ストーカー賞受賞の表題作は、若く美しい主人公ジェシーが、階下の地下室に住む通称〈洋梨形の男〉の執拗(しつよう)なアプローチに恐怖を増幅させていく物語だ。
「あうううう。よしよし、彼女だ」−背筋が凍るような言葉を皮切りに、ぶよぶよした洋梨そっくりの体に異臭をまとった男はジェシーにつきまとうようになる。夜毎(ごと)悪夢にうなされ、強迫観念に襲われた末、ジェシーは自らの恐怖と対峙(たいじ)するため、意を決して男の部屋に乗り込んでいく。
〈洋梨形の男〉に強い拒絶反応を示す一方、実はジェシーは男に強くひきつけられてもいる。彼女は大都会でイラストレーターとしてしのぎを削り、常に肩ひじを張って生きている。友人の会話も辛辣(しんらつ)なユーモアの応酬で、気の休まるときはない。
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