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【書評】『プリーシヴィンの森の手帖』ミハイル・プリーシヴィン著、太田正一編訳
動物番組にはシナリオがない。あるがままの姿を映すだけで物語ができる。本書はそれをカメラではなく、言葉を尽くして描いている。最初は言葉のリズムに戸惑うこともあるが、読み進むにつれて頭の中で映像が鮮やかに結ばれていく。
舞台はロシアの厳しくも、豊かな大地。著者が生きたのは第一次世界大戦、1917年の2月と10月の「革命」、第二次世界大戦、ソ連共産党の一党独裁へと続く激動の時代だ。
その期間は自由な思想や行動が相当制約されたであろうに、著者は「自分の生き方を頑固に守り抜いた」。ロシア人は「とことん自然にのめりこんだ人であることを知っている」。自然を味わい尽くすには最適な一冊。(成文社・2100円)
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