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【なぜ本は売れないのか】(上)着いたその日に返本 (1/2ページ)
先月は340万冊
「先月ここに返本されてきたのは、約340万冊です」
フォークリフトがせわしく走り回る巨大施設の一角に、返本された書籍がうずたかく積み上げられている。昭和図書美女木物流センター(埼玉県戸田市)の山田貴芳所長(51)によると、新しく刊行された本が書店から戻ってくる返本率は40%に達しているという。
小学館や集英社など一ツ橋グループの出版社の書籍と文庫は、同センターから出版取次会社を通じて各書店に届けられる。売れ残った本は逆のルートで少しずつ出戻りする。店頭に並べられた様子もなく、Uターンしてくる本も少なくない。保管するのが商売とはいえ、「なんとも寂しい気分になる」と山田所長。
カバーを変えるなど改装して再出荷される本もあるが、保管しておいても将来的に売れないと出版社が判断すれば、返本の山は廃棄され、書籍としての役目を終える。年間約2千万冊を古紙原料としてリサイクル業者に買い取ってもらっているが、1キロ当たり十数円が現在の相場だという。
廃棄処分を示す赤いテープを巻かれた本の束を追って、同県三芳町のリサイクル会社「富澤」を訪ねた。カバーや表紙、袋とじなどは手作業で取り去り、裁断機で本の背をザクザクと切り落とす。圧縮機から出てくる巨大な立方体には、もはや本という印象はない。製紙会社向けに出荷されていく。「書籍はリサイクルの優等生。ほぼ100%再生できるんですよ」と同社の冨澤進一専務はにこやかに語ってくれた。
新刊増え過ぎ
出版ニュース社が発行する「出版年鑑2009」によると、書籍の総発行部数は平成9年の15億7354万冊がピークだった。当時の新刊点数は約6万2千点。以後、発行部数は退潮傾向で昨年は14億703万冊にとどまった。一方、新刊点数は増加し続けてきた。この2年ほどは微減となっているものの、約8万点に達している。

