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「ボーズ」元社長・佐倉住嘉『ご挨拶』刊行 25年間…真心の集大成
これからのお中元の季節に頭を悩ませている人も多いはず。お世話になった人への感謝の気持ちだけでなく、どうすれば相手の印象に残るか。25年間に渡り、お中元、お歳暮に添えて送った文章が1冊の本にまとまったのがオーディオメーカー「ボーズ」元社長、佐倉住嘉さん(72)の『ご挨拶』(文芸春秋)だ。
作家、丸山健二さん(65)が、「素人とは思えぬほどの文章の巧みさもさることながら、洞察力の鋭さにおいてもずぬけており、行間にあふれる人生観と人生哲学の軽妙洒脱(しゃだつ)さは、文学に届く域に達していると感じ」と、絶賛して、出版を強く推薦した。
「すぐれた作家に過分に評価していただいた」と、佐倉さんは照れる。佐倉さんの挨拶文を楽しみにしている人も多いという。
例えば、「拝啓 いきなりド炎夏、日本コロムビアさんみたいな季節の変わりようです」(1977年夏)、「年齢と共に時の流れが加速するのは、アインシュタインさんのせいなのでしょうか。ご貴台様にはアインシュタインとは無関係にご清栄の毎日と拝察致し…」(2001年冬)とユーモアで魅了する。
一緒に、季節のものも届く。そちらもどんなものが届くのか楽しみのようだ。
「品物を決めるのが大変。生ものだと迷惑になるので、日持ちがするもので、何よりも奥さんが喜んでくれるものを選ぶ」という。
佐倉さんは「ビジネスのなかでは、運は人がもってきてくれるもの。人脈をしっかりとメンテナンスしないといけない」と、夏と冬の挨拶を約200人に出している。
そもそもは30年前に、おいしい芋の甘露煮があり、それを挨拶文とともに知り合い50人に送ったことにはじまり、「自分の存在を認めてもらえるかな」とスタートした。
『ご挨拶』には25年間のものが掲載されているが、それ以前のものは紛失して掲載できなかった。
佐倉さんはボーズでの30年間の社長生活を終えたが、「生きている限り運を大事にする」という佐倉さんは死ぬまで、この“ご挨拶”を続けるという。
佐倉さんの今年の夏の“ご挨拶”も間もなく届くという。(松垣透)


