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【書評】『メディアの発生 聖と俗をむすぶもの』加藤秀俊著
このニュースのトピックス:伝統芸能
「メディア」という言葉は、テレビや新聞のようなマスメディアだけを指すのではない。「媒体、霊媒、中間」といった本来の意味に立ち戻って考えれば、歌舞伎、落語、演歌、また各地の祝祭行事なども、神仏と人、人と人とを仲立ちする「メディア」として生まれたものにほかならない。古典をひもとき、歴史に思いを馳(は)せ、国内各地を訪ねて伝統文化に触れ、日本人の教養や常識、精神世界を形作ってきたものの淵源(えんげん)をさぐる文化・芸能史の試みだ。日本の社会学を牽引(けんいん)してきた加藤秀俊氏の「メディア論」の集大成であり、日本文化論として、さらには紀行文やフィールドワークの手引きとしても楽しめる奥深い好著である。(中央公論新社・3150円)

