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【著者に聞きたい】工藤美代子さん『近衛家 七つの謎』 (1/2ページ)
■「弱い」文麿の評価覆す
戦犯として裁かれることを拒絶して青酸カリで自殺した近衛文麿と、ソ連抑留中に亡くなった(殺された?)長男の文隆をめぐる7つの謎に切り込む。
「近衛文麿は戦後六十数年をかけて負のイメージを築かれてしまいました。しかし、世界的な視野で見直してみたらどうだったのか。優柔不断で弱い人というイメージでガチガチに固められてしまった近衛の人物像をひっくり返したかった」と執筆の動機を工藤さんは語る。近衛の評価を試みた『われ巣鴨に出頭せず−近衛文麿と天皇』の続編ともいえる。
出発点は、日本の占領政策に深くかかわったふたりのマルクス主義者、すなわちカナダ人外交官のハーバート・ノーマンと経済学者の都留重人だった。ふたりの関係を調べていくうちに、にわかに近衛の存在が気になり始めたという。昭和20年2月14日のいわゆる「近衛上奏文」で国体の護持には敗戦の混乱に伴う共産革命を恐れるべきであるとの認識を示した近衛は、共産主義者の標的にされたのではないかと工藤さんは考えるのだ。
本書の執筆にあたって工藤さんは、読者に負担を与えない書き方にチャレンジしたという。資料の丹念な読み込みと関係者への徹底取材をふまえたうえで、作家的想像力を駆使した「物語」を適宜挿入するのである。

