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【著者に聞きたい】三崎亜記さん 『廃墟(はいきょ)建築士』 (2/2ページ)
そして表題作では、廃墟を新築するという不可思議な社会の様子を描いた。「廃墟にするための建築があってもいいのでは」。そんな逆転の発想が始まりだったが、徐々にその思いは社会状況にも重なってきたという。「バブルのころの箱物は将来性を考えずに作られ、(人が来ない)廃墟然となっている。廃墟にするために作られたものに見えたんです」
廃墟は子供のころから身近な存在で、高校生のとき最初にカメラをもらって入ったのは、幽霊屋敷のような民家跡だった。「廃墟になったからこそ、かつてそこで生活していた人の思いが、かえって濃厚になるのでは」。たしかに読むと、さびれた廃墟がなぜか懐かしい場所に思えてくる。つまり、廃墟とは「都市の成熟とともに、人の心が無意識かつ必然的に求めることになった、『魂の安らぎ』の空間」(本書より)でもあるのだろう。(集英社・1365円)
(堀晃和)
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【プロフィル】三崎亜記
みさき・あき 昭和45年、福岡県生まれ。平成17年にデビュー。『失われた町』など。

