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【話題の本】「超訳『資本論』全3巻」的場昭弘著
■理解のため編集者も猛勉強
昨年5月の発売から11カ月で11刷7万5000部、これほど硬い本がこんなに売れるのかと話題になった。マルクスの『資本論』という書名は知っているが、あまりにも難しく、挫折した人も多いのだろう。
「まず自分が読みたかった」と、祥伝社書籍出版部の新書編集デスクの堀裕城さん(43)は話す。今のこうした格差社会を先読みしていたわけではなかった。
当初は、インターネットで『資本論』を調べ、研究書を読みはじめた。「幕末から明治期に、こうしたことを考えて、書かれていたことに驚いた」
イデオロギーの本ではなく、社会学の本だと分かった。
原著を読める書き手を探した。そして、自分が分からないものは売れない、と自身も猛勉強した。
最後には、インデックスも自身で作成したほどだ。何回も読み、どこに何が書いてあるかも分かるくらいになった。
3万部売れればと思っていた。当初の読者層は予想通り年齢が高かった。次第に、30代が主力になった。「売れるべくして売れた」というのが堀さんの実感だった。
男女比も、男性7割に女性が3割という新書には珍しく、『超訳「資本論」』は男性6割、女性4割という比率となった。そのことにも驚いた、という。
今月、第2巻と第3巻の同時発刊で完結した。「最初の本に3冊分いれたかったが、1冊分でも224ページとなって無理だった。実際の『資本論』が3巻だということも知らない人がほとんどだった」と、話す。
それぞれの作りも『資本論』と同じ章立てになっている。
「ロングセラーになれば」と期待する。(祥伝社新書 第1巻・882円、第2巻・840円、第3巻・924円)
編集委員 松垣透

