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【著者に聞きたい】小川糸さん 『喋々喃々(ちょうちょうなんなん)』 (1/2ページ)
■きもの店若女将の恋物語
東京の下町情緒あふれる谷中で、アンティークきもの店「ひめまつ」をひとり営む若き女将(おかみ)の恋物語を書いた。昨年、同じ版元から出した小説デビュー作『食堂かたつむり』が異例のベストセラーとなり、第2作として文芸誌「asta*」の同年5月号から今年2月号にかけて連載したものを大幅に加筆修正して単行本にまとめた。
きっかけは「ときどき谷根千(谷中・根津・千駄木)のほうにふらっと遊びにいくたびに、みんなが地に足をつけて、ふだんの生活そのものを楽しみながら暮らしているなあっていう印象があって、住んでる方たちにお話をうかがっても、人情が残っているし、無関心とおせっかいのちょうどいいバランスが保たれているんじゃないかなって思った」ところだった。
主人公をなぜきもの屋にしたかというと「きものを着てるとわかるんですけど、一歩一歩が小さいんです。決して走れないんですね。でもその分ゆっくり歩くと足下にあるものがよくみえてきます。車に乗ってビューって走る10メートルと、きものを着て歩く10メートルとでは、みえてくるものがぜんぜん違うなあって。今回はそういう環境で毎日をていねいに生きている主人公の話にしたかったんです」
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