MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。
[PR]

ニュース: 文化 皇室学術アートブックス囲碁将棋写真RSS feed

【日本人とこころ】向田邦子と含羞(上)愛され続ける、その理由 (1/4ページ)

2009.3.1 08:10
向田邦子全集とテレビ脚本集向田邦子全集とテレビ脚本集

 向田邦子。生きていたら今年で80歳になる。その事実を知ったときは、ちょっと驚いた。なぜなら、昭和56年、51歳のときに飛行機事故で突然姿を消してしまったため、彼女は私たちの心の中では、目元のきりっとした若々しい風姿のまま生き続けているからだ。

 生誕80周年の今年は、例年にも増して多くの「向田本」の出版が計画されていると聞く。向田作品が愛され続ける理由は何だろう。

 彼女の人生と作品を講談に仕立てて口演したり、短編小説「かわうそ」の朗読劇(鴨下信一脚本)で、女優の香山美子(かやま・よしこ)さんと共演したりと、向田作品の熱烈なファンとして知られる講談師の神田山陽さんを訪ねた。

 「共同体が消滅し、茶の間すらも消えてしまいました。共同体や家族にはさまざまな束縛がありますから、そこから自由になりたいと思うのは自然なことでしょう。でも、そのためには個として自立する必要があるはずです。自立しないまま自由を手にした人間同士が互いに尊重しあえるはずがありませんから。いま、私がもっとも気になるのは、恥じらいの喪失です」

 山陽さんは平成日本を分析したうえで、向田作品の魅力をこう表現した。

 「いまの日本と日本人のありように不安を感じて振り返ると、そこに向田さんがいたのです。こう言うと単なるノスタルジーと思われるかもしれませんが、それは違います。向田さんの描いた世界は、われわれがまだ立ち戻ることが可能と思われる世界なんです」

 時間を巻き戻すことはできないけれど、もし私たちに再出発する気があるのなら、その基準とすべき価値観が彼女の作品の中にある、そう解釈すればいいだろうか。

このニュースの写真

向田邦子全集とテレビ脚本集
晩年の向田が愛した東京・表参道の大坊珈琲店。店内には昭和の香りがほんのりと漂う
[PR]
[PR]
PR
PR

PR

イザ!SANSPO.COMZAKZAKFuji Sankei BusinessiSANKEI EXPRESS
Copyright 2009 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。