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【著者に聞きたい】辻村深月さん『ロードムービー』 「読後の爽快感」求めて (1/2ページ)
車や列車などで人物が移動する光景とともに、物語が展開していく映画を「ロードムービー」という。「イージー・ライダー」や「パリ、テキサス」などが代表例。そんな映画の一ジャンルをタイトルにした。表題作を含む3編を収めた著者初の短編集だ。
「ロードムービーは旅が終わったとき、主人公の中に何が獲得されているかが分かりやすく描かれている。観(み)たあとの爽快(そうかい)感を、小説でやってみようという宣言の意味でつけました」。その思いは他の2編にも通じるため、全体のタイトルにもしたという。
表題作では、小学生の純粋さや閉塞(へいそく)感を描いた。主人公のトシは6年生進級前の春休みに、同級生のワタルと家出する。この旅の行方と児童会長選挙が行われる学校の様子が交互に紡がれていく。2作目の「道の先」は進学塾でバイトする大学生と教え子の中学生との交流を、最後の「雪の降る道」では小学生同士の繊細な心情を優しい筆致で綴(つづ)った。3作とも子供に焦点を当てたのは「追いつめられたときの悩みは子供のときほど切実。大人は『大丈夫だよ』と教えてくれる人がいるが、子供は周囲が子供だけなのでそういう存在がいない」。行き詰まった状況から何かを得て歩んでいく様子の対比が子供ゆえに鮮烈だ。読後の「爽快感」が実にいい。
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