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「ポトスライムの舟」で芥川賞受賞 津村記久子(つむらきくこ)さん(30) (1/2ページ)
「3回も(芥川賞の候補作に)残していただけるとは…。さすがにまぐれではないと思いました。よかったです」と、発表直前の神妙な面持ちは、受賞の知らせを受けて一転歓喜の表情に。昨年1月と7月の候補に続く3度目のノミネートで、念願の芥川賞に輝いた。
受賞作「ポトスライムの舟」は、作者と同世代の契約社員の女性が主人公。29歳のナガセは工場に勤めながら、友人のカフェを手伝ったり、パソコン教室の講師もこなす。目標は世界一周クルージングの旅行代金をためること。2人暮らしの母親、ナガセの家に子連れで居候を始めた女友達ら周囲の人間関係が淡々とした筆致でつむがれる。主要な登場人物はみな女性である。「同年代の女性が30代を迎えたとき、結婚したり、母子家庭になったりと、いろんな立場の違いが明確に見えてくる。それを書いてみたかった」
デビューから4年にも満たないが、執筆歴はかなり長い。「幼稚園や小学生のころから児童書のまねをして書いていました」。中学生の途中から大学入学のころまでは音楽が好きになり、“断筆”したというが、電車で遠距離通学をする合間に再び読書に目覚めた。「夏休みを利用して大学3年から本格的に書き始めた」。チェスタートンやカート・ヴォネガット、マーガレット・ミラーという海外の作家に影響を受けたという。
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