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【書評】『ちょいな人々』荻原浩著
“ちょいワルおやじ”を気取る会社員に隣家の庭木を憎む主婦、いじめられっ子と一緒に仕返しするいじめ電話相談員など、個性的な主人公が次々に登場する短編小説集。
物語の設定の面白さにも引き込まれる。例えば、熱狂的なタイガースファンが彼女の家にプロポーズに行ったら父親が大のジャイアンツファンだった−は実際にありそうな話だ。一方で、自分の心の内が携帯メールの文面に反映される「正直メール」や、ペットの本音を音声化する「犬猫語完全翻訳機」など、ありがた迷惑な発明品の話も。
本作は登場人物を通して、昨今増えている「ブームに乗っかる人々」をやんわりと斬(き)っている。機知に富んだ絶妙なオチが、人生はかくも素晴らしく、かくも悲しいものなのだと気づかせてくれる。(文芸春秋・1600円)
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