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【話題の本】「悪夢」シリーズ 木下半太著

2008.11.17 08:37
悪夢悪夢

 ■日常にある「密室」が突然…

 ジェットコースターに乗ったようなスピーディーな展開に、繰り返されるどんでん返しが爽快(そうかい)なサスペンス『悪夢のエレベーター』(630円)、『悪夢の観覧車』(680円)、『悪夢のドライブ』(同)の文庫本シリーズが、第1弾『悪夢のエレベーター』(昨年10月発売)以来、累計26万部を突破した。

 著者、木下半太さん(34)は劇団を主宰し、演出、脚本も担当する演劇人。ブログで連載していた『悪夢のエレベーター』を読んでファンになった幻冬舎の編集者、袖山満一(まい)子さん(39)に口説かれ、加筆・修正したうえで出版化した。

 「悪夢」シリーズの面白さは、主な舞台をエレベーターや観覧車、自動車内に設定し、日常の中にある「密室」を悪夢の現場に変貌(へんぼう)させた点にある。「密室での人のやりとりは舞台をやっている木下さんの得意とするところ」と袖山さんは話す。

 「演劇を見ているような小説」は、会話が多く、カラフルな色づかいの描写で読者に映像のイメージを持たせやすい特徴からも見て取れる。実際、『悪夢のエレベーター』は一昨年にテレビドラマ化、今年9月には芝居が上演され、映画化の話も持ち上がっている。購読層の大半は20〜40代で、男女の比率も半々。袖山さんは「年代や性別を問わずに安心して楽しんでもらえる作品」と絶賛する。

 「悪夢」シリーズを後押しするのは読者だけではない。「書店員さんにファンがいて、書店展開してもらったのも大きい」(袖山さん)。ほぼ口コミだけ、しかも小説家としては無名の作家の作品でもこれだけ売れることは注目すべき、という。

 木下さんはシリーズの続編を現在執筆中。次はどんな「密室」が待っているのか。(幻冬舎文庫)

 古川有希

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