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【週末読む、観る(2)】『ケータイ小説的。』『コンビニのレジから見た日本人』ほか (4/4ページ)
■【中書評(1)】降旗学著『世界は仕事で満ちている』(日経BP社・1575円)
高所専門清掃員、缶コーヒーブレンダー、プロ野球スカウト…知っているようで知らない38の職種を取り上げ、働く人々の本音に迫ることで、仕事の本質が見えてくる。
レストラン経営に失敗し、焼きイモ屋に転身した男性は、冬から早春にかけて休みなしの働きづめで600万円ほどを稼ぎ出す。4年後、多額の借金を返済し、ソフト開発者として人生の再スタートを切った彼は、目標に向かうことが目標ではなく、目標に達してからが本当の始まりであることを実感する。
偏見や先入観で職種を見るのではなく、日常生活がいかに多くの仕事で支えられているか、自分の可能性を広げてくれる天職があるかもしれないといった観点から、働く意義を見つめ直してみたい。(日経BP社・1575円)
■【中書評(2)】速水健朗著『ケータイ小説的。』(原書房・1575円)
少女マンガやJポップ、ギャル向け雑誌の検討を通して、ヒットを連発するケータイ小説登場の背景に迫る文化論。固有名詞がほとんど登場しない、回想的モノローグ、恋人の死…。『恋空』『赤い糸』といった代表作を綿密に分析した著者は、浜崎あゆみの歌詞や暴走族らが愛読したティーンズ向け雑誌の投稿欄との類似を指摘、コギャルの登場以降、隅に追いやられた感のあった「ヤンキー文化」の再興をみてとる。
一方で、登場人物の職業観や恋愛観も考察。感情のやりとりや価値観のせめぎ合いよりも「つながること」自体を重視する若者の「携帯依存的な」コミュニケーション事情を浮き彫りにしていく。文体のあら探しに終始しがちなケータイ小説論が多い中、「ヤンキー文化」への着眼が新鮮に映る。
■【中書評(4)】藤田洋著『歌舞伎・主人公百選』(たちばな出版・2100円)
国立劇場(東京・三宅坂)の歌舞伎鑑賞教室で「義経千本桜」の「河連法眼館の場」が上演されている(24日まで)。源義経の家来、佐藤忠信に化けた狐(きつね)の物語。というのも静御前が持つ「初音の鼓」は、その狐の親狐の皮で作られたのだという。両親に孝行を尽くすため、化けてまで静御前に付き添っていたのだ。突拍子もないストーリーのようだが、客席を埋める高校生たちは、しわぶき一つなく狐の恩愛の情に共感を寄せ見入っている。
著者は、歌舞伎には「人間があがき苦しみながら生きてきた証が描かれている」という。本書には先の佐藤忠信をはじめ、「仮名手本忠臣蔵」の大星由良助、「菅原伝授手習鑑」の桜丸ら、現代のわれわれと同じ人間たち100人が登場する。
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