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【週末読む、観る(2)】『ケータイ小説的。』『コンビニのレジから見た日本人』ほか (2/4ページ)
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■【ライトノベル評】書評家・三村美衣
大人になることへの嫌悪感や恐怖は、少女向けライトノベルの重要なモチーフのひとつだ。このほど刊行された桜庭一樹の直木賞受賞後第一作『荒野』(文芸春秋)も、「女の子」と「女の人」の間で揺らぐ少女の心を清新に描いた作品だ。
ある日、山野内荒野は、通学電車の中でひとりの少年に出会い、恋におちる。ところが親同士の再婚と同居によって、少年との関係はぎくしゃくしてしまう。そしてそんな中で荒野は、恋愛小説家で浮名を流す父と、彼をとりまく女たちの心の闇を垣間見、徐々に自分の中の女性性を意識しはじめる。
実は本書は、ファミ通文庫から刊行されていた『荒野の恋』第1部と第2部を加筆修正し、書き下ろしの第3部を足したもの。キャラクターや語り口に過剰な演出がなく、ライトノベルとしては地味なために、当時、注目はされたものの、セールスには結びつかなかった。
一方、19世紀のドレス専門店と社交界を舞台に、少女の成長をロマンチックなファンタジーとして描き、人気を博しているのが青木祐子『ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』シリーズ(コバルト文庫/12巻、写真)だ。ヒロインは恋する心を映す魔法のドレスを作るお針子の少女。ある事件をきっかけに、着る者の憎しみや絶望を引き出す「闇のドレス」の存在を知った彼女は、自分の作る「恋のドレス」でその闇の力に対抗しようとする……。
臆(おく)病(びよう)な少女が、恋を知り同時に恋がもたらす心の闇をも知る。同じ少女の成長を描きながら、アプローチのまったく異なる2作品。併読をお勧めする。
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