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山田風太郎が“駄作”とした幻の忍法小説の直筆原稿見つかる
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「忍法帖」シリーズなどの歴史伝奇小説で知られる作家、山田風太郎(1922〜2001)が生前、「駄作」としていた忍法小説「忍法相伝73」の直筆原稿が見つかり、遺族が兵庫県養父市関宮の「山田風太郎記念館」に寄贈した。生前に単行本化されたが、今は絶版で、その後は本人の意志で全集にも収録せず文庫化もなっていないため、“幻の忍法小説”となっていた。
見つかったのは、昭和39年5月から同40年3月まで、「週刊現代」(講談社)に連載された計40回分(約680枚)で、編集部の倉庫に保管されていた。伊賀忍者の血筋を引く青年が、現代で奇想天外な忍法の数々を繰り広げる内容ながら、同館の事務長、有本正彦さん(63)によると「当時の政治家を風刺した展開もあるが、全体的にナンセンスなストーリー」という。
風太郎本人は生前、ユーモアを狙ったがうまくいかず、「これは駄作」と決めつけ、月刊誌で自身の作品をランク付けしたとき、ABC評価で「P」をつけ、全集にも収録されず、文庫化もなっていないため、今は「入手困難」な忍法小説となっている。
当時、風太郎は小説家として脂がのった時期で、新聞や週刊誌などの連載が多く、昭和39年12月からは映画化されたベストセラー「魔界転生」を地方紙に連載するなどしていた。
風太郎は約300編の小説を残したが、直筆原稿には執着せず、雑誌社などから戻ってきた原稿はたき火にして燃やしていたため、直筆原稿は極めて少ない。有本さんは「風太郎にとって、最も『燃やしたい』と思った小説が残っていたのは不思議」と話している。
同館は今秋、直筆原稿の一部を公開展示する。



