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【青雲の大和】(218)国威をもって (1/3ページ)
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金春秋(きんしゅんじゅう)の指令で、月城(げつじょう)へ女王をまもっていく部隊が配置についたあと、王宮の奥から銀の白鶏(はくけい)を屋根にのせた輿(こし)が、四人の兵によって担ぎだされてきた。
新羅(しらぎ)女王、徳曼(とくまん)の登場である。
文麻呂(ふみのまろ)は四年まえ、一度だけ女王の素顔をみている。高句麗の王都、平壌(へいじょう)に幽閉されていた金春秋が、義兄の大将軍、金●信(きんゆしん)のひきいる決死隊にまもられ、帰ってきたときだった。
いまと同じ銀の白鶏のついた輿に乗って、女王は王宮の西方を流れる川の橋のたもとまで、金春秋を迎えにでたのである。
女王は金春秋の又従姉弟(またいとこ)にあたるが、そのときすでに背が屈(かが)まり、髪は白く、相当の高齢であることが文麻呂にはみてとれた。
いまは輿の扉がぴったりと閉ざされ、窓は厚い絹の幕でおおわれ、なかをうかがうことはできないが、女王の老いはいっそう進んでいるものと思われる。
王宮の南門をでると、鉾(ほこ)をもつ百人ばかりの屈強の兵が輿のまわりをかため、月城へむけて動きだした。
金春秋はきらびやかな黄金の甲冑(かっちゅう)をつけ、騎乗して先頭に立った。