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【読む、観る(4)】12編それぞれに自分を見る『ツバメ記念日』ほか (4/5ページ)
ということで、本書の中身は詐欺まがいの富づくりの過程を描く経済ドラマにはなっていない。ひたすら、得た富をドラッグとコールガール、ヨットやホテルのプレジデンシャルスイートに使い尽くすプロセスだけに集中している。資本主義は最終段階で、「蕩尽(とうじん)」あるいは「衒(げん)示的消費」を生むと予言したのは、異端の経済学者、ヴェヴレン(『有閑階級の理論』の著者)だが、著者の生き方を眺めると、消費がある時点から「苦役」に近いものになることがわかる。そんな現代の病理を描いたものとして、笑い飛ばしながら読めばいい類のノンフィクションだ。
昔、『キャッチ=22』という大ベストセラーを出した作家ジョーゼフ・ヘラーが、一日で彼の印税収入総額以上を稼ぎ出す超富豪のパーティーに出かけたことがあるそうだ。その時の感想。「自分には億万長者にない才能がある。それは、もうこれ以上のものは自分に必要はないと判断する力だ」
ベルフォートにはこんなヘラーのアドバイスは通用しなかっただろうなあ。
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Jordan Belfort 証券詐欺などで起訴され22カ月収監。マーチン・スコセッシ監督で映画化予定。
■この本と出会った 伊藤哲朗(日本道路交通情報センター理事長)
『代表的日本人』内村鑑三著(岩波書店ほか)
私が福岡県立修猷館高校2年生の秋、学校の授業に少し飽き足らなく思っていた私は、授業では習わない自分の生き方を思索する学びの場、例えば下村湖人の『次郎物語』に出てくる朝倉先生の「白鳥会」のような尊敬できる師と教え子との学びの場が自分にもほしいと憧れていた。
同じような考えを持つ友人とも相談した結果、皆が尊敬していた国語の小柳陽太郎先生に勉強会をお願いしようということで一致した。職員室に皆でお願いに行くと、先生は、私どもの話をじっと聞いておられた後、快く応じていただき、早速翌週から先生のお宅での勉強会が始まった。