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【週末読む、観る】鴨下信一が読む五木寛之著『わが人生の歌がたり』ほか (3/3ページ)

2008.5.4 08:35
このニュースのトピックス週末読む・観る

【私の本棚】〈作家・岡崎大五〉

 4月1日

 1月から2月にかけて北京に行ってきたのだが、その発展ぶりには驚いた。まず何を食べても旨(うま)いのだ。20年前は逆に何を食べてもまずかった。当時は中華料理を食べるなら、中国本土ではなく、香港か台湾、あるいはマレーシアやシンガポールに行ったほうがいいといわれていたほどである。やはり文化が食を発展させるのだ。中国国内の食の変化は張競『中華料理の文化史』に詳しい。北京では、熊本に本店がある「味千ラーメン」がにぎわっているのを見かけたが、友人が送ってくれた黒川真吾ほか著『ファーストフードマニア vol・1』によれば、広州にはマクドナルドとケンタッキーを合わせたような「マクタッキー」なる店まであるそうだ。恐るべし、中国である。そんな中国はじめ、台湾や香港にも面白ファストフード店が乱立している。いったいアジアの食は、どこに向かっているのか?

 4月5日

 週末に郡司和夫『これを食べてはいけない』を読む。食品安全が問題とされる昨今、情報が満載なのだが、いかんせんすぐに忘れてしまう。

 4月7日

 昨年出した拙著『日本は世界で第何位?』が好評で、次回作を執筆中。今回は食を中心に世界と日本の関係を考え、調べる毎日なのだが、『世界の資源地図』はコンパクトにわかりやすくまとめられている。

 4月9日

 北京で食べた大盛りのジャージャー麺が忘れられない。北京では汁なし麺が主流であった。森枝卓士『アジアラーメン紀行』を読んで、日本のラーメンが広東の湯麺から発展したものだと知った。日本の食文化に関しては、石毛直道『食いしん坊の民族学』なども必読だ。

 4月10日

 『ラーメンの誕生』を読む。著者の岡田哲は、『世界たべもの起源事典』も著し、このところほぼ毎日接している。

 4月12日

 田舎らしく、買い物から帰ってくると、玄関にタケノコがぽんと置かれてあった(ちなみに拙宅は伊豆の下田)。きっと近所の人がくれたのだ。無性にタイのグリーンカレーが食べたくなる。グリーンカレーは、タケノコ入りと相場が決まっているのだ。『アジア・カレー大全』を読んで、作り方はもちろん、カレーの歴史などに触れる。でも結局、市販のカレーペーストとココナツミルクを使って、簡単に作った。それでもさすがは旬のタケノコ、美味だった。

 4月15日

 これを読まねば食文化は語れまい。マーヴィン・ハリスの『食と文化の謎』である。でも読み進むに連れて、どんどん気持ちが悪くなる。解説で小泉武夫は、これほど食欲の出ない食の本も驚きだと書いている。そこで口直しに、俣野敏子『そば学大全』を読み、さっぱりとする。そばが食べたくなったので、修善寺で買った山芋そばでおろしぶっかけそばを作る。太目の麺が辛味大根によくからむ。最近お気に入りのそばである。

 おかざき・だいご 昭和37年、愛知県生まれ。著書に『添乗員騒動記』『バンコク危機一髪』など。

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