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【週末読む、観る】覚悟の整理整頓も…あさのあつこ「仕事の周辺」 (1/4ページ)
【仕事の周辺】〈作家 あさのあつこ(下)〉
今日もいいお天気でした。山は新緑です。田んぼにはレンゲの花が咲き乱れその上をツバメが飛び交っていました。田植えも間近です。
のどかですねえ。一年中で一番、いい季節でしょうか…な、わけないでしょう。忙しいです。死ぬほど忙しいです。しつこいようですが、売れっ子だからではありません。
そういえばこの前、ある児童文学関係の書き手たちと話していて「なあ、おれたち、売れん子作家同盟ってのを作らないか」「おーっ、それいいね。入会資格はなしだけど重版がかかったやつは強制脱会させるの」「初版の部数も1万以上になったら、そく脱会」などという、アホな話題で盛り上がりました。盛り上がりたくなかったけどね。
まっ、それはそれとして、忙しいのは前々回に書いたとおり、本の整理をしようと思い立ったからです。生まれながら整理整頓の能力が欠如しているアサノとしては決死の覚悟の末の行動でした(すいません。大げさで)。
まず資料の整理をして、いらないものを捨てる。それから、本の整理をしていらないものを捨てる。それから、原稿の整理をしていらないものを捨てる。半日後には、棚すっきり、机の上すっきり、床の上すっきり。わたしは新鮮な気持ちでパソコンに向かい、軽快に文章を綴(つづ)っていく。10枚、20枚、30枚…筆(?)は滞ることなく進み、傑作の生まれる予感が…などということはなく、わたしの机の周りは以前にもまして乱雑、ぐちゃぐちゃとなって、今や猫さえ近づかないありさまです。途中で(開始後、わずか1時間)、ふとページを開いた本がおもしろくて、おもしろくて。カニグズバーグの『ジョコンダ夫人の肖像』(岩波書店)でした。「くそっ、なんで、こんな本に手を出しちまったんだよ」「もう遅い。完全に敵のわなにはまっちまったんだ」「ああ、もう破滅しかないのか」ドーン。
というわけで、過ちを繰り返したあげく、部屋は散らかし放題という惨状です。でもめげずにがんばりますね。