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【出版社オススメ 連休に読みたい本】『不祥事はなぜ繰り返されるのか』『夜の銀座の資本論』… (3/5ページ)
■働く時間に締切の設定を!
吉越浩一郎著『デッドライン仕事術』(祥伝社新書・777円)
「すべての仕事に締切日を入れよ」と言われて、そんなことは当たり前だといえる人は、かなり仕事のできる人だろう。多くの人にとっては、「わかってはいるけど、なかなか……」といった耳の痛い言葉のはずだ。
日本の工場の生産性は世界でも群を抜いているが、ホワイトカラーの生産性はとても低いと、トリンプの前社長である著者は指摘する。その原因は、工場の仕事は締切が厳格であり、かつ各人の仕事の進捗(しんちょく)状況も一目瞭然(りょうぜん)であるのに対して、デスクワークの締切は曖昧(あいまい)なことが多く、それぞれ何の仕事をしているのかもわかりにくいところにある。
それを改善するもっともシンプルな方法は、「仕事」にも「働く時間」にも「締切」を設定することだ。「なるべく早く」、「来月中旬頃」といった曖昧な頼み方をせず、仕事にはすべて「日付」で締切を入れていく。ダラダラ残業せずに、毎日、「今日は何時には帰る」とお尻の時間を決めて働く。
この2つを実行するだけで、効率も業績もアップするのは、19年連続で増収・増益を達成したトリンプが証明している。
また、デッドライン仕事術は、自分の仕事の管理だけでなく、「部下を動かす」にも最適の手法である。部下の仕事にもしっかりと「締切日」をつけ、それを「会議」で管理していく。会議が無駄なのではなく、無駄な会議が多いのであり、本当に有益な会議のやり方、進め方についても、本書で詳説してある。著者の願いは、日本人の悪習である「残業」が減り、ビジネスマンの「ワークライフバランス」が改善されることだ。
時間がいくらあっても足りないという人は、ぜひご一読を。(祥伝社新書編集部 三宮博信)
■明かされた諜報活動の技法
佐藤優著『国家の謀略』(小学館・1680円)
異能の外交官であり作家である佐藤優氏が、「インテリジェンス」について真正面から取り上げたのが本書です。
「情報」「諜報(ちょうほう)」「謀略」などと訳されるこの用語への無知が国益を毀損(きそん)している現状を憂い、日本人に眠るインテリジェンスのDNAを呼び起こすべく佐藤氏は筆を執りました。
本書は、陸軍中野学校に由来する日本のインテリジェンスの伝統や、ロシアを中心とする最新の国際情勢にも幅広く言及し、「インテリジェンスとは何か」を丁寧に解き明かします。
特に注目すべきは、旧ソ連(現ロシア)大使館時代に経験した“外交冒険譚(たん)”の数々です。
あるときは、ウオツカに「しびれ薬」を盛られて1日近く体の自由を奪われ、またあるときは、ラジエーターの配線を切られ、愛車がオーバーヒートする始末。そんな危険と隣り合わせの中で、佐藤氏は身をもってインテリジェンスの要諦(ようてい)を体得します。アントニオ猪木氏と協力し、クレムリンに食い込むインテリジェンス工作を成功させるなど、われわれが知らない外交最前線もリアルに描かれます。
一方、インテリジェンスの技法を実生活に応用する「テクニック編」はビジネスマンには必読です。400字換算で月1000枚以上の原稿を世に送り出す佐藤氏の、情報整理術や記憶術は驚きの連続。スパイによる「カネ」「酒」「セックス」を用いた籠絡(ろうらく)工作への対処法も、われわれの実生活で活用できる日が来ないとも限りません。
日本人の手によって初めて書かれた「インテリジェンスの教科書」と言っても過言ではありません。(小学館「SAPIO」編集部 沢田佳)