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【週末読む、観る】(4)あさのあつこ・お父さんも来るサイン会 (1/4ページ)
【仕事の周辺】あさのあつこ(作家)(中)
《お父さんも来るサイン会》
数日前の土曜日、サイン会でした。え? 何の本かって? いやいや、そんな、産経新聞の紙面を勝手に使って、何気なく新刊の宣伝をするなんて、そんな図々(ずうずう)しいこと、わたくしにはできません。まっ、ともかく『ガールズ・ブルー』『ガールズ・ブルーII』(ポプラ文庫)のサイン会があったわけです。え? 堂々と宣伝している? ふふん、この歳(とし)になると、図々しいのも勲章さ。
さて、わたしのサイン会というのは、来てくださる方の年齢層がわりに若くて、しかも9割が女性という構図なのですが、その日は、ちょっと様変わりしておりました。いつもよりずっと男性が多かったのです。しかも、年齢差がまちまち。
おもしろかったのは、わたしと同じかやや下といった中年男性の多くが、「娘に頼まれて」とおっしゃったこと。いろんな事情で参加できなかった娘さんに代わって、来てくださった…つまり代打ですね。そんなお父さん、サインが済むと、そそくさと立ち去っていくのです。「これ以上、こんなところにいたくない」という感じです。そりゃあそうですよね、女優のアサノアツコさんならともかく、よく(まったく)知らない物書きの、しかも女子高校生のイラストが表紙(菅野旋さんの作品なんですよ。すごくステキです)となっている本をもって列に並ぶなんて、かなりの忍耐がいりますよね。いいお父さんたちだなあ。娘よ、しっかり、感謝するんだよ。
お父さんたちとは明らかに異質の若い男性たちもいらっしゃいました。きちんとネクタイを締めた若いサラリーマン風の方、学生さんらしい人…こちらは、自分のためのようです。嬉(うれ)しいけれど不思議でした。中、高校生ならまだしも20代の男性がなぜ?
考え、彼らは中、高校時代にわたしの作品を読んでくれた人々ではないのかという結論に達しました。たぶん、そうでしょう。ありがたいことです。でも、それだけわたし、歳をとったのね。