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山崎ナオコーラ 書き下ろし短編集『論理と感性は相反しない』 (1/2ページ)
このニュースのトピックス:文学・書籍
■奇想天外 珠玉の15編
■小説の枠から読者を解放
『人のセックスを笑うな』など、ヒット作を生み出している人気作家、山崎ナオコーラの書き下ろし短編集『論理と感性は相反しない』(講談社)が刊行された。みずみずしい感性で描いた男女の同棲(どうせい)生活をはじめ、『伊勢物語』を題材にした哲学的世界など、個性豊かな全15編が奇想天外な取り合わせで紡がれている。創作という際限のない自由な世界に、遊び心や試行錯誤をちりばめた“異色作”だ。(舛田奈津子)
「遊びまくって、“小説ってこういう風なもの”っていう思いこみから解き放たれたいなって。“何でもアリ”と感じてもらえたら、うれしい」。賞も批評も気にしない。だからこその代表作、と。手応え十分。自信ありげな笑顔をチラリとのぞかせる。
冒頭の表題作は、神田川と真野という24歳カップルの同棲生活を描いている。「タイトルで伝えたいことは、あなたのことが好きなのは、あなたが私の理解者だからではない。理解しなくてもつきあえる、ということ」
しみじみとした会話が独特のリズムを作り出す。
《「口争いになったときに、オレたちはお互いの土俵に上がらないことにしよう」「いいね! そうしよう。自分の目で相手をいとおしもう」》
幸せのなかに漂う青臭さと危うさ。そんな“微妙な感覚”は、今を代表する表現であり、山崎の真骨頂だろう。
ほかにも、芥川賞落選時に残念会で編集者らに焼き肉をおごった実話を元にした『素直におごられよう』など、ユニークなエピソードが重なりあう。


