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【週末読む、観る】(4) (4/5ページ)
今日ケータイ小説の流行(はや)る理由に、主人公と読者がぴったり重なる感情移入のしやすさや、「友達の友達の話」的に「あるある」と言いあえる親しみやすさがあるが、「友達の友達は他人なのだ」という突き放しを身につけるため、子供ならずとも好適な小品の詰まった一冊。全8巻のあちこちに収録された初訳作品を味わったり、岩波文庫の定番『オー・ヘンリー傑作選』と読み比べる楽しみかたもある。
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O Henry 1862年、米ノースカロライナ州生まれ。1910年没。短編の名手として活躍。
■『プルーと満月のむこう』たからしげる作、高山ケンタ絵(あかね書房・1155円)
評・光丘真理(作家)
《青春のはかなげな青さ》
フカシギ系を書いたら右に出る者がいないほどの作家が、フカシギな純文学を出版した。
「ぐーるる。/声が落ちてきた」。書き出しから、ヤラレタと思った。
ところが、今回の不可思議文学は、真面目に深い。今までの著者のフカシギ系は、軽快でくすりと笑えるものが多かったが、この作品はなんとも心に染みて、読後、心の奥に宵の澄んだブルーの世界と「天空にともったぼんぼりみたい」な月がいつまでも残る。
読み終えて、この本のタイトルカバーに再び目を移したとき、村上龍の芥川賞受賞作『限りなく透明に近いブルー』を思いだした。内容は全く違う。けれど、青春の透明ではかなげな、同じ青さを感じた。
主人公の裕太の耳には幼いころから小鳥の鳴き声とともに「特別の声」が聞こえてくるときがある。メッセージを伝えてくれる、なぜか懐かしくて温かい声。
この世に生まれ出る前に父を交通事故で亡くした裕太は、母と姉と3人暮らし。ところが、最近、母のつとめるレストランの店長が、母に急接近。もしかすると再婚するかもしれない。けれども裕太は、写真でしか見たことのない天国の父だけを父親だと思いたい。口べたな少年の心は揺れる。そんなとき、親友の一騎が小鳥を飼うことになり、裕太は、「五月の青空がそのまましみついたような体の色」をしたセキセイインコ「プルー」に出会う。かつて父がかわいがっていた小鳥と同じ種類と名前だった。それから、小鳥を通して裕太に「特別の声」が頻繁に聞こえだす。