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【週末読む、観る】(3) (5/5ページ)
このニュースのトピックス:週末読む・観る
ターゲットは小川洋子の『博士の愛した数式』。第1回本屋大賞を受賞し、これまた大勢の読者に愛されている小説を、どんな風に読み解いているか。頭の中が「!」でいっぱいになり、小説の読み方が、いや、世界の見え方が一新するほどの快感が味わえる、それは見事な論が展開されると思ってほしい。
多和田葉子の『容疑者の夜行列車』、西原理恵子のマンガ、松浦理英子の『犬身』、中原昌也の中編「点滅……」。前田塁は、そのいずれもで魅力的な“誤読”を提示する。もちろん、それは「誤った読み」なんかではない。小説をより豊かにする「面白い読み」のことだ。前田塁は誠実な建築家同様、小説という建物を形成する一本一本の柱、壁、天井、すべての要素の強度を精査する。その眼差(まなざ)しは厳しいが、愛情深い。前田塁という批評家を得られた小説は幸福というべきなのである。
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まえだ・るい 主な仕事に雑誌「文学界」での「小説の設計図 時評篇」