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【週末読む、観る】(3) (4/5ページ)
このニュースのトピックス:週末読む・観る
良質の情報源とは、正しい事実を正しいバランスでとらえ、過不足なく第三者に伝える知性と客観性を持つ。ジャーナリストと呼ばれるのは、本来そういう資質の持ち主だ。そんなジャーナリストの凄(すご)みを、狙撃手(スナイパー)さながら正確で過不足のない訳が余すところなく伝えてくれている。
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Milana Terloeva ジャーナリスト。1979年、チェチェンに生まれる。
■『小説の設計図(メカニクス)』前田塁著(青土社・1995円)
評・豊崎由美(書評家)
《愛情を持って“面白く”読む》
批評の弱体化? そんな手垢(あか)まみれの揶揄(やゆ)を真に受ける前に、前田塁の『小説の設計図』を開くべき。そしたら、「弱体化、どこが?」って言い返したくなるから。学校教科書の定番であり、〈少年少女の道徳心や感動を呼び覚ましてきた、ことになっている〉太宰治の『走れメロス』と、この“名作”にかつて感銘を受けた読者に対し、的確かつ絶妙なツッコミを入れ、読者を巧みに哄笑(こうしょう)へと導く序章でつかみはオッケー。
その勢いのまま第1章に進めば、俎上(そじょう)に載せられているのは、これまた大勢の読者を感動させた、ことになっている川上弘美『センセイの鞄(かばん)』だ。ここでも前田塁は精緻(せいち)かつ率直な読解によって、このベストセラーの思わぬ相貌(そうぼう)を露(あら)わにしてくれる。センセイ/わたし(語り手のツキコ)の関係がS/Mであり、この物語が〈悲恋でもなければ純愛でもなく、マゾヒストによるサディストの弑逆(しぎゃく)であり、ツキコによる「センセイ殺し」の物語なのだ〉と結論する前田塁の蛮勇に惚(ほ)れ惚(ぼ)れしたら、次は第3章に進むのをお勧めしたい。