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【週末読む、観る】チベットで沈黙続ける朝日−花田紀凱の週刊誌ウオッチングほか

2008.4.13 22:03
このニュースのトピックス週末読む・観る

 ■【花田紀凱の週刊誌ウオッチング】

 こと人権となると必要以上に張り切る朝日が、なぜか音無しの構え。いわゆる朝日文化人もほとんど発言をしない。

 〈なぜ、「南京大虐殺」を報道する熱意で、「チベット大虐殺」を書かないのか〉(リード)という『週刊新潮』の主張はまさにわが意を得たりだ。

 「聖火と共に『北京五輪欠席』の輪は広がるのに中国を批判できない朝日の『チベット報道』」(4月17日号)。『新潮』が皮肉っているのは4月3日の社説「福田首相はもっと語れ」。

 〈中国が国際社会から非難され、信頼を失うのは、隣国の日本にとって見過ごすことのできない(中略)首相はチベット問題の深刻さを、もっと明確な言葉で中国に語るべきだ〉

 中国が国際社会から非難され、信頼を失うのは自業自得だと思うが、朝日は見過ごせないらしい。

 たしかに福田総理が中国にハッキリ言わないのは事実だが、では朝日はどうなのか。

 たとえば1987年10月4日、「チベットの不幸な流血事件」という社説。〈国外にあるダライ・ラマとそのグループを含むチベット関係者は、中国の一部としてのチベットの現実に冷静な目を向けてほしい。およそ二百万人のチベット族の平和な生活のためにも、無謀な挑発が行われるようなことがあってはなるまい〉

 89年、ダライ・ラマ14世がノーベル平和賞に選ばれた際には授与反対の論陣を張った。〈平和のための賞が結果として、チベットの緊張を高めるおそれさえある。(中略)「平和賞」の名が泣こう〉

 まさに中国の代弁者。朝日に福田総理を批判する資格などない。

 『週刊現代』(4月19日号)「緊急提言ワイド『あなたの共感 雅子さまか、美智子さまか』」。福田和也氏ら15人の識者の論に新味ナシ。手前味噌だが今、話題沸騰、『WiLL』5月号、西尾幹二氏の「皇太子さまへの御忠言」を読むべし。

(『WiLL』編集長)

 ■【書評倶楽部】『絵で見る樺太史』高橋是清著(太陽出版・1050円)

 古美術鑑定家・エッセイスト 中島誠之助

《訥々と熱く歴史を語る》

 手元にある日本地図を広げてみよう。すべての公式のそれには択捉島と国後島を主とする北方領土が厳然としてわが国の領土であることを示している。しかし、宗谷海峡の向こうにある樺太は当然のごとくに外国領土として印刷されていない。

 現在はロシア連邦サハリン州となっている樺太は北海道より少し小さな島で、北緯50度を境界として北樺太と南樺太と呼んでいる。北側はロシア連邦の領土であり、南側は国際法上いかなる国にも属していない所属未定地なのだ。

 江戸時代、北海道が蝦夷地と呼ばれていたころ、樺太は北蝦夷地と呼ばれ、南部には日本人居住地があった。江戸幕府の辛抱強い交渉の結果、日本人居住地が日本領であることが確定している。やがて初期の明治政府はロマノフ王朝ロシア帝国の膨張に圧倒され、千島樺太交換条約を締結せざるを得なくなり樺太を放棄する。後に明治38年のポーツマス条約によって南樺太が日本領として復帰し、都道府県に相当する行政組織の樺太庁が設置されている。

 昭和20年8月15日の日本降伏の際、ソ連は日本の派遣した停戦の使者を殺し、40万同胞の生命と財産を奪い南樺太を占拠したのだ。ソ連軍が迫り来る真岡の町で、安全な地域への退去許可が下りているにもかかわらず自ら進んで電話交換業務を続け、「さようなら」の打電を最後に毒薬をあおった9人の乙女たちの話はあまりにも有名である。

 この絵入りの小冊子は南樺太の問題を忘れている日本人に、37歳の戦争を知らない著者が訥々として熱く語りかけている。歴史を顧みることなく単に友好を唱えては危険であると諭し、どのような過程のもとに樺太と千島列島にロシアのサハリン州が置かれているかを知らなければ、真の日露友好は確立しないといっているのだ。

 なかじま・せいのすけ 昭和13年生まれ。東京・青山の骨董通りの名付け親。著書に『やきもの鑑定五十年』ほか。

 ■【産経書房】『そっとネコぼけ』岩合光昭 写真・文(小学館・1470円)

《癒やしと安らぎを思い出す》

 動物写真家として世界各地を訪れ、さまざまな生き物と自然を独自の視点で撮影することで有名な岩合光昭氏。その岩合氏がライフワークとして、30年以上かけて撮り続けてきたのがネコの写真です。

 平成17年4月に発売されたネコの写真集『ちょっとネコぼけ』は、写真集としては異例のベストセラーになり、9刷、5万5000部を超えて今もなお売れ続けています。その続編が、今回発売された『そっとネコぼけ』です。

 前作以降に撮影された新作から思い出の名作までを、美しい四季の写真とともに掲載。日本や世界各国の四季折々の風景の中で撮影されたネコたちの写真は、どこか人の心に癒やしと安らぎと、優しい気持ちを思いださせてくれます。前作に続く珠玉の名作が網羅された『そっとネコぼけ』は、まさに新たなるネコの写真集の決定版といえるでしょう。

 そんな本書ですが、当初「そっと」にあたる部分は未定でした。編集中は勝手に「もっとネコぼけ」などと呼んでいたのですが、写真選びも後半になったころ、先生がうれしそうに、いいタイトルを思いつきましたよ、と話してくれたのが『そっとネコぼけ』でした。この瞬間、編集もデザイナーもう〜んとうならされたほど。その繊細さ、優しそうな感覚は、そのままカバーや本文の内容に大きく影響を及ぼし、今回の作品が誕生したのです。

 そんな『そっとネコぼけ』ですが、動物写真家ならではの優れた作品を満載しています。

 (小学館クリエイティブ編集室 菊池徹)

 ■【産経書房】『人は“口ぐせ”から老化する』佐藤富雄著(青春出版社・1365円)

《ポジティブな言葉で好循環》

 「年齢より老けて見える人と、若く見える人がいます。何が違うのでしょうか?」

 76歳の今も新しい夢を実現すべく日々学習を続け、スキーや狩猟をアクティブに楽しむ著者にこんな質問をしたのが、この本を出版するきっかけになりました。「誰だって加齢は避けられません。しかし老化は抑えられます」と著者はいいます。米国の最新アンチエイジング研究のエッセンスから導いた「老けない生き方」を自ら実践、50歳の体力・気力を維持する著者が、心と身体の習慣をわかりやすく紹介しました。

 私たちの身体は口ぐせ、どんな言葉を口にしているかに支配されています。普段から「自分は若い」といっている人は意識も若くなり、脳がいきいきとします。すると身体を動かしたいという気持ちが自然に生まれ、行動が変わります。逆に「年だから」と否定的な言葉ばかりを使っていては老けてしまいます。

 また、この本で紹介するように1秒に2歩のペースで歩けば、成長ホルモン、サイトカイン10や、脳を“快”の状態にするベータエンドルフィン、希望のホルモンといわれるドーパミンがいくつになってもふんだんに分泌されます。こうなると身も心も若返り、さらにポジティブな言葉を口にするようになります。これが「老けない人」の好循環です。

 日ごろなにげなくつぶやいている言葉をちょっと見つめ直すだけで、10歳、あるいは著者のように20歳若返るキッカケをつかむことは十分に可能なのです。

 (青春出版社プライム涌光 村松基宏)

 ■【ランキング】

 大阪・紀伊国屋書店梅田本店調べ

 (3/31〜4/6)<単行本>

(1)『「基軸は人」を貫いて』井上礼之

日本経済新聞出版社 1785円

(2)『宇宙が味方する生き方』伊藤忠彦

講談社インターナショナル 1680円

(3)『不動産マーケットはこうなる』三菱UFJ信託銀行不動産コンサルティング部日経BP社 2310円

(4)『驚異のエゴスキュー』ピート・エゴスキュー、越山雅代監修・訳

ロングセラーズ 1785円

(5)『連鎖する大暴落』副島隆彦

徳間書店 1575円

(6)『夢をかなえるゾウ』水野敬也

飛鳥新社 1680円

(7)『B型自分の説明書』Jamais Jamais文芸社 1050円

(8)『生命の法』大川隆法

幸福の科学出版 1890円

(9)『大阪おいしいroji本』

JTBパブリッシング 680円

(10)『歎異抄をひらく』高森顕徹

1万年堂出版 1680円

 関西経済界の大物の著書がそろってランクイン。井上礼之・ダイキン工業会長兼CEOの『「基軸は人」を貫いて』は日本経済新聞の連載「私の履歴書」を単行本化したもの。伊藤忠彦・関西アーバン銀行頭取の『宇宙が味方する生き方』は、キリスト教的観点から生き方を指南した。くいだおれの街らしく、路地のうまい店を紹介した『大阪おいしいroji本』も売れている。

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