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【週末読む、観る】森洋子さんインタビュー&大森望さんの読書日記etc (3/5ページ)

2008.4.6 09:33
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嵐山光三郎著『妻との修復』(講談社現代新書・756円) 評・藤原龍一郎(歌人)

 すべての既婚男性にとって、自分の妻との関係の修復は永遠の課題。

 この本はその難問に対して、50カ条の技法と、さまざまな事例から導き出された75項目の教訓を解説することで、個別のだいたいの事例にも対処できるようになっている。

 例として出されるのは、まずは著者自身が見聞した知人友人の夫婦の問題であり、次に日本の近現代の文化人の夫婦関係のエピソードである。知人友人の例には、すぐに応用できる現実的なリアリティーがあり、失敗例は反面教師となる。そして、そういう現実から得られる技法は覚えておく価値がある。

 たとえば妻の怒りに対しては「口ごたえしない」という単純明快な技法。これは「我慢することによって、日常の不良行為がチャラになると思えば安いものだ」ということである。さらに「年に一度は妻と性行為をする」とか「妻の両親の話相手になる」といったアクティブな技法、逆に「妻との旅行は三泊四日が限度」といった防衛的な技法も記憶に値する。

 一方、先人の事例からの教訓は、人生の箴言(しんげん)として受けとめることができる。

 「インテリの美人妻は夫を不幸にする」「友人の妻に『夫と別れたい』と相談されても、聞こえなかったふりをするのがよい」。前者は日露戦争後のポーツマス会議全権大使でありながらも、遊び好きの妻に苦しめられた小村寿太郎、後者は北原白秋の妻の相談にのり、白秋と義絶した谷崎潤一郎の事例からの教訓。身につまされる人もいるかもしれない。一方、作家の佐多稲子と中野重治の例から導き出される「尊敬しあう愛人関係は、愛のない夫婦よりずっとうまくいく」という救いの言葉もある。

 あとがきにも「妻と食事をする時、向かい合わずに、隣に座れ」との実践訓があげられる。向かいあうのは対決であり、寄り添うと気持ちが何となく一体化するとのこと。まさにその通り。啓示の書として味読した。

 ■しあらしやま・こうざぶろう 昭和17年生まれ。著書に『悪党芭蕉』など。

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