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【週末読む、観る】『めぐみへ 横田早紀江、母の言葉』娘を思い心の底から振り絞る (1/2ページ)

2008.3.2 08:53
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『めぐみへ 横田早紀江、母の言葉』横田早紀江著(草思社・1470円)

 「言葉は力」という某新聞社の広告があった。しかし、皮肉なことに、某新聞社のどの論説文の「言葉」より、本書に込められた「言葉」の方がそのフレーズを実感させてくれる。小泉訪朝以来6年間、横田早紀江さんが拉致被害者家族の当事者としてさまざまな場面で残した37の言葉がつづられている。

 確かに「言葉は力」なのだが、当事者が過酷な現実と向かい合って、傷つき、闘いながら、それでも心の底からふり絞って発せられた言葉ほど、リアリティーのあるものはない。しかも、それがわが娘の安否を気に病み、ただただ無事を希(こいねが)う思いを「言葉」にしたものであるから、そこにはいかなる虚飾も、思想も入り込む余地はない。だからこそ、これまで多くの人の心を動かし、拉致被害者救出活動への関心を向け、実際に多くの人々に行動を促してきたのである。

 早紀江さんと最近お会いしたとき、本書にも収録されている小泉訪朝直後の記者会見で述べた言葉についてお聞きした。その言葉は恐らく将来、日本を変えた歴史的な言葉として語り継がれるだろうが、早紀江さんはこう答えてくれた。「私はただ、経験して思っていることを言ってるだけで、何を言っているのか分からないし、何を言ったのか覚えていないんですよ。大したことないのに、残しておいたほうがいいですよ、と言われて本にしたんです」

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