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【週末読む、観る】【旬を読む】『「ひきこもり国家」日本』 クリエイターの視点で論考 (1/2ページ)
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『「ひきこもり国家」日本』高城剛著(宝島社新書・735円)
5年前、短編映画「監督感染〜KENENN〜」の脚本と監督をさせていただいた。タイトルの「KENENN」とは、日々ニュースで耳にする「懸念」のことである。
物語は、突然リストラされる新婚で公務員の主人公が、美しい外国人妻の借金によりすべてを失う。その後、たどり着いた公園では、ホームレスからも追い出されるという不条理な社会派コメディー作品だ。
長谷川朝晴さん、土屋アンナさん、阿部寛さん、大杉漣さんら豪華キャスト陣と優秀なスタッフの努力の結果、劇場公開、DVD化され、数々の評価を頂いた。
しかし、不完全燃焼だった。僕の力不足も否めないが、今でこそ感じられる危機感を、5年前は理解されなかったし、説明し切れなかった。残念だが、脚本を当初より書き換えざるを得なかった。
そして昨年、その不満が間接的に解消された。『「ひきこもり国家」日本』との出会いである。
著者はハイパーメディアクリエイターとして主に映像や音楽の分野で世界的に活躍する高城剛氏。年間約200日間旅を続け、世界の要人に出会って得た貴重な体験を、トップクリエイターならではの視点で、世界から俯瞰(ふかん)し、「日本」を論考する。「格差社会」「国家破産」「環境問題」などのテーマを巧みなレトリックを用い、僕が「KENENN」では伝え切れなかった「最近、何かおかしいから気をつけな」というメッセージを伝える。
「一年ひと昔」と著者が述べるように時代の流れは急速に変わる。「この10年、日本は世界についていけず、ただ『まったり』して『ひきこもって』いただけである」ということばに説得力があるのは、ついに悪い時代に突入したからだろう。まさに「懸念」していたことが現実に起こり始めているのだ。

