MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。

ニュース:文化 皇室学術アートブックス囲碁将棋写真RSS feed

【青雲の大和】(4)急襲 (1/2ページ)

2008.1.2 08:21
このニュースのトピックス青雲の大和

 子麻呂(こまろ)は上背がある。武門の佐伯(さえき)の郎党でも、ひときわめだつ偉丈夫である。

 網田(あみた)は上背ではわずかに劣るが、胸幅あつく、がっしりとした肩に肉がもりあがって、ひとを威圧する迫力があった。

 ふたりが皇居の巨大な屋根つきの南門を背に立ちはだかると、傲岸(ごうがん)にわめいていた男が、一瞬たじろいであとずさった。

「名をきこう」

 網田が一歩ふみだしていった。

「われは蘇我(そが)の使いであるぞ」

 男が歯をむきだしにして、脅しをかけてくる。

「その荷はなにか」

「きさまら小物にいう必要はないわ」

「では、あらためさせてもらう」

 網田は男を押しのけるようにして、菰(こも)をかぶせた荷車のそばにふみこんだ。子麻呂は援護すべく網田の背についている。

 網田が力をこめ菰をひきはがすと、下からあらわれたのは大量に積みこまれた兵器だった。

 弓矢に槍(やり)、楯(たて)、剣、いずれも一見して、皇居の兵庫(ひょうご)(武器庫)に保管されていたものとわかる。

「どういうことか説明してもらおうか」

 網田がいった。

 門衛が松明(たいまつ)をかかげてきて、黒装束の男たちを照らしだしている。荷車のまえに一人、左右に四人。いずれも無冠である。

「だから蘇我の命(めい)だといっておる。きさまらが関(かか)わることではないわ」

 頭目(とうもく)の男はいきりたっていった。

「ここは大君のいます板蓋(いたぶき)の宮である。蘇我の命では門はあけられぬ」

 男の威丈高(いたけだか)な脅しにも、網田の対応はゆるがない。

 それをみて、男はわずかに声をやわらげ、

「高向(たかむこ)どのには話をとおしてある。なんならきいてみよ」

 と、折れて出た。

PR
PR

PR

イザ!SANSPO.COMZAKZAKFuji Sankei BusinessiSANKEI EXPRESS
Copyright 2008 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。