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【アートな大阪・魅力の明治建築物語】マスコミ報道も一役 無事残った住友家のビリヤード場

2009.7.5 00:18
このニュースのトピックス美術・芸術
ビリヤード場の側面にある出入り口(北村博子撮影)ビリヤード場の側面にある出入り口(北村博子撮影)

 にぎやかな心斎橋筋商店街の近くに、文明開化の時代を思わせる洋館がひっそりと建っている。

 これは、旧住友家本邸(明治12年)のビリヤード場(中央区島之内1)として建てられたものである。正面の三角ペディメント、美しいアーチ状の入り口、トスカーナ風の円柱などに明治初年の洋館の面影を残す。

 国の重要文化財の旧岩崎邸(東京都台東区、明治29年、設計J・コンドル)のものより古く、現存最古のビリヤード場とされており、当研究会は、文化財の指定を要望している。

 この旧住友家本邸のビリヤード場は昭和60年代、ビル建設のために解体されようとしていた。保存を要望したが、「戦後の建築で残す必要はない」とのことであった。

 しかし、「近代建築画譜」では、明治初年の洋館と判明。空襲でも焼け残ったことを訴えて、保存されることになったのである。

 昭和40年代から続けている当研究会の近代建築の保存活動の中で、残された数少ない例である。当時の住友銀行の理解、大阪市、建築史産業史の研究者らの協力に感謝している。

 当時の新聞は、“大阪で日本最古のビリヤード場”の発見を大きく紹介した。産経新聞も、写真を入れて、「タマげた重文級のビリヤード場 戦火をくぐり残っていた」と、大きく紙面をさき、紹介している。

 取り壊し計画が中断して、保全再生されるようになったのはマスコミの報道であった。しかし最近、歴史建築の保存について、マスコミの動きが少し鈍くなっている。昔のようにすぐれた歴史建築について、積極的に報道するようにお願いしたいものである。

(明治建築研究会・戦争遺構研究会 柴田正己)

このニュースの写真

ビリヤード場の側面にある出入り口(北村博子撮影)
ビリヤード場の正面入り口。明治初年の面影を残す(北村博子撮影)
旧住友家本邸のビリヤード場=大阪市中央区島之内1(北村博子撮影)
旧住友家の庭園から続く橋とビリヤード場(北村博子撮影)
ビリヤード場の内観。明治初年の社交場の雰囲気を残している(北村博子撮影)
ビリヤード場のキッチン入り口の照明(北村博子撮影)
ビリヤード場のアーチ状の出入り口(北村博子撮影) 
ビリヤード台を照らす建物内部の照明。天井飾りも当時のままだ(北村博子撮影
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