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「北欧モダンデザインの父」に触れる アルヴァ・アールト (1/2ページ)
「北欧モダンデザインの父」といわれるフィンランドの建築家、アルヴァ・アールト(1898〜1976)が作った10の住宅を選び、ていねいに解説する『AALTO アールトの住宅』(TOTO出版)。本を編んだのは建築家、斎藤裕(ゆたか)。建築家ならではの精緻(せいち)な文章で充実度は高い。
アールトが好んだ有機的な形が人を穏やかな気持ちにさせる。それは、静謐(せいひつ)な自然を見せるフィンランドという土地のせいかもしれない。が、一番の理由は著者の見る目の優しさであろう。
この本を開く前、私は少し怖かった。文化保存のための家が苦手なのだ。
人のいない死んだ家。
人のいる生きている家。
この差はどうしても逃れられない。人が住まなくなると、とたんに家は生気を失ってしまう。家具や小物も同じ。人に使われなくなり、ただ置かれるだけ、特に博物館に収蔵されてしまうと、本来あるべき生活の匂(にお)いを失う。

