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【逸品の美学】ダイソン「DC24」 デザインと機能、高い次元で両立
掃除機は、家電のなかでも、できるだけ人目に触れてほしくないもののひとつだろう。それは、付与された機能に起因する。部屋がきれいになった時点でお役ご免。継続的な通電状態を必要としない。冷蔵庫やテレビ、電話などが部屋に常設されるのに対し、洗濯機やドライヤーなどは幕間(まくあい)の仕事師。デザイン面の配慮も遅れてきた印象がある。それを根底から覆したのがダイソン。吸い込んだゴミまでさらしたのだから。
「ゴミが見えることによる達成感や安心感、きれいになったという実感のあることが好意的に受け止められた」と話すのは、ダイソンのPRマネジャー、神山典子さん。外装に目を奪われがちだが、そうした感覚は能力があってこそ。「吸引力の変わらない、ただひとつの掃除機」というキャッチコピーは有名だ。
DC24は、これまで「吸う」という基本機能がスポイルされがちだった縦型の掃除機に対するダイソンの解答。モーターを収めた本体下部の球体がポイントで、滑らかな操作感と低重心設計による安定感を両立させたというが、もちろん強い吸引力とクリーンな排気は堅持する。
神山さんによると、英国本社のデザイン研究開発センターは、デザイナーとエンジニアを部門で分けていないそうだ。モノづくりの現場では、デザイン部門と開発部門のせめぎ合いで妥協点が下がっていくことが珍しくない。思考法や工程の根本的相違が、デザインと機能が高い次元で両立させるのだろう。
デザイン事務所に勤める知人と、ほしい掃除機がない、という話で盛り上がったことがあった。周囲でも共感を得たが、ダイソンが普及したいま、そのころほどの共感を得るのは難しいかもしれない。(酒井潤)

