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【京のいろ】高台寺 龍が見守る庭 広がる利休の宇宙 (2/3ページ)
境内でも最も高所にあるのが傘(かさ)亭だ。10畳ほどの茶席で、千利休がデザインした。土壁に障子(しょうじ)、跳ね上げ扉、にじり口、小さなくどなどがある。屋根は茅葺(かやぶ)き。素朴な建物だ。
しかし、天井は饒舌(じょうぜつ)だ。竹が放射状に組まれ、野趣に富む。全体が唐傘を開けたように見えることからその名がある。正式名は安閑窟(あんかんくつ)という。特別にお願いして真ん中に座らせていただいた。天井を見上げる。「う〜ん、広い!」。宇宙の彼方(かなた)まで行けそうな壮大な気持ちになってきた。これも伏見から移築された。
清々(すがすが)しい気分で傘亭を離れ、下りを急ぐ。すると…。左手に天を突くように伸びた孟宗(もうそう)の竹林があった。竹の緑が、春の日差しに映えて美しい。竹林を縫うように小径が延びていた。この春、誕生したばかりの竹もあれば、数時間前に顔を出し始めたものもある。時がたつのを忘れて見とれていた。(文:早瀬廣美/撮影:加藤孝規(たかのり)/SANKEI EXPRESS)




