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【町猫浪々】黄昏て 「缶詰おじさん」待ち焦がれ (1/2ページ)
陽は西に傾き、湾岸に黄昏(たそがれ)時が迫っている。
それまで思い思いの場所でくつろいでいた猫たちは、いつものように集まり、静かに日没を迎えようとしている。
誰もいなくなった海辺の、暗く長い夜を、どんな風に過ごしているのだろうか。
彼らはひたすら待っている。これから缶詰や小魚をバイクにいっぱい積み込んで、駆けつけてくれる人がいるからだ。その人は、かれこれ30年間もそうしたことを続けている。
猫たちの生活を支えているのは、意外にも彼のような中年男性たちである。よほどの悪天候でない限り、毎日のように来てくれる心優しい人たちだ。猫たちの今日は、彼らの存在なくしては語れない。
人家もなく、訪れる人も少ない、東京湾に浮かぶこの人工島の外れで生き抜くことは容易(たやす)いことではない。
これもまた紛れもなく東京の猫の暮らしである。(写真家 太田威重/SANKEI EXPRESS)


