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【写眼】山田脩二「カンポンプロック村の生業」(2006年) (1/2ページ)
■遠くだから見える大切なもの
竹で組んだ住居の軒先で、母子が何やら家事をしている。場所は、カンボジア・トンレサップ湖の周辺地域。東南アジア最大の湖は、浸水期(8〜1月)に渇水期(2〜7月)の3倍もの大きさになるという。母子が暮らすカンポンプロック村は湖の浸水域にある。高床の住居は、迫りくる湖水に何とか距離を保つ生活の知恵なのだろう。
撮影者の山田脩二(しゅうじ)(68)は淡路島在住で、瓦職人「淡路瓦師」の肩書も持つ写真家。2006年から07年に、関西大学の建築環境デザイン研究室の調査チームに同行し、この村を3回訪れた。作品は集落の生活を写した1枚。画面の大半を室内の暗さが占める構図がおもしろい。母子はカメラとの実際の距離よりも遠くにいるような印象だ。「通常はアップで撮るんでしょうが、刻まれた顔のしわを撮れば、その人の真実を写したことになるのか。そんな疑問が常にあった」

