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【アート】高島屋「美術画廊X」 次の100年見据え (1/2ページ)
重厚で、敷居が高いイメージの強い百貨店の美術画廊。扱うのも大御所の作品ばかり…と思っていたら、現代美術と写真に特化したギャラリーが登場した。美術部創設100年の老舗、高島屋が昨年3月、日本橋店にオープンした「美術画廊X」。1年余りの間に無名の新人から国際的な美術家まで幅広く紹介、以前は縁のなかった客層も引きつけている。(黒沢綾子)
ふかふかのじゅうたんが敷かれた美術画廊の一画に、対照的な空間が広がる。セラミックタイルの床に、殺風景な天井。いかにも現代美術のギャラリーらしい。
画家の吉川民仁(たみひと)(昭和40年生まれ)の個展が開かれていた(13日まで)。油彩の新作を中心に20余点。奥行きを感じさせる広い絵肌に、即興的な点や線が躍る。直感的な力強さ、のびやかなやさしさが調和した作品群だ。
「ジャズをテーマにしてみたんですよ」と吉川。即興を意味する「improvisation」は明るく躍動的。闇に色が浮遊する「真夜中ごろ」はもちろん、名曲「ラウンド・ミッドナイト」からの着想だ。
デパートでの個展に抵抗を感じる若手作家は少なくない。しかし吉川は「通常の画廊の個展に来てくれるのは、コアな美術ファンに限られる。僕の絵を見たことがない人たちと出会えるチャンスだととらえました」と語る。
実際、隣の画廊で日本画や壺などを見た後、ふらりとXに立ち寄る中高年客がちらほら。「一目ぼれでポンと作品を買い求める方もいらっしゃいますよ」と、高島屋本社美術部の中澤一雄部長。若者層が多く足を運んでくれるようになった、とも。Xには、比較的手ごろな数万〜十数万円の小品も並べられている。従来は扱わなかった写真作品も積極的に紹介している。
「採算という意味ではまだまだですが、次の100年を見据えた新しい挑戦です」。森村泰昌から若き新鋭作家・佐藤温まで、Xで個展を催した作家は幅広い。

