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【ヒマラヤの風】急坂を駆けるように歩く (2/3ページ)
このニュースのトピックス:地球の頂点へ 三浦雄一郎、75歳の挑戦
■シーン2 酸素濃度は半分 標高は5000メートルでも無邪気にポーズ
カメラのシャッターを切るときは、息を止めるものらしい。標高4000メートルを超えたあたりから、早坂カメラマンが「後ろにふっと、倒れそうになる」と言い始めた。三浦隊と今回登った最高高度は5077メートル。空気中の酸素濃度は平地の半分近くしかない。平地では問題のない動作でも、身体への負担がまったく違う。そもそも、足を一歩踏み出すのもひと苦労だ。
わたしも標高4000メートルを初めて体験し、下痢に頭痛という典型的な高山病にかかってしまった。夜は眠れないし、起床時も頭痛に悩まされた。だが、2倍以上も年上の三浦さんは快調そのものだった。出発前は気にしていた右ひざの痛みも「歩いているうちによくなった」と胸を張る。
ついていく隊員も、全員明るく元気だ。マネジメント担当の五十嵐和哉(いがらし・かずや)さん(48)がカメラを向ければ、三浦さんの長男、雄大(ゆうた)さん(42)が5000メートルの山の頂上で無邪気にポーズを取る。登攀(とうはん)隊長で撮影担当の村口徳行(むらぐち・のりゆき)さん(51)は「ああー、調子出ねぇ」などとぼやきながらも、どんどん上へ行ってカメラを構える。三浦さんの次男、豪太(ごうた)さん(38)は長くて激しく揺れるつり橋の上でスキップしてみる。疲れから出るため息も、思わず笑いに変わってしまう。





