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【ヒマラヤの風】急坂を駆けるように歩く (1/3ページ)
このニュースのトピックス:地球の頂点へ 三浦雄一郎、75歳の挑戦
■シーン1
5月に世界最高齢の75歳でエベレスト(8848メートル)登頂を目指しているプロスキーヤー、三浦雄一郎(みうら・ゆういちろう)さんの遠征隊と行った高度馴化(じゅんか)のトレッキングでは、必要な防寒具や行動食以外は、ポーターに運んでもらった。わたしと早坂洋祐(ようすけ)カメラマンの大きなダッフルバッグには資料やパソコン、機材などがぎっしり詰まっている。それでも、われわれがふうふう言ってロッジに到着する前に、きちんとバッグとともに到着しているから驚いてしまう。
エベレスト街道には、同じように遠征隊の荷物を運ぶポーターのほか、家畜のヤク、ゾッキョ(ヤクと牛の混血種)などが、外国人トレッカーたちの間をひっきりなしに行き交っていた。風が吹けば、乾燥した地面から砂ぼこりが舞い上がり、家畜の糞(ふん)のにおいが漂う。
トレッキングでかいた汗はひと休みすると、すぐに身体を冷やし、防寒具をもう一枚羽織りたくなる。高山病予防のために、こまめな水分補給も不可欠だ。だが、ポーターたちは水を飲むでも服を羽織るでもなく、自分の椅子(いす)にも、荷物の支えにもなるつえだけを巧みに使い、駆けるように歩いていく。





