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【町猫浪々】あふれる光 心も体も伸び放題
ここ数年来、たびたび訪れているとある路地で、見慣れない若い猫がくつろいでいた。その姿は、前々からこの辺りに住んでいたかのようにリラックスしている。
ここの猫はすべて知っているつもりだったが、たまたま巡り合わせが悪く、これまで出会うことがなかったのだろうか。そういえば半年くらい前、母を呼ぶ子猫の鳴き声が、どこからか聞こえていた。だとすると、この猫はその成長した姿なのかもしれない。
近づいても全く動じることなく、あふれる光を浴びて、いかにも心地よさそうにおなかを見せて寝転んでいる。眺めていると、甲羅干しのような格好になったまままどろみ始めた。
そんな気分になるのも無理はない。前日は台風並みの暴風雨が終日吹き荒れていた。あれでは外に出ることもままならない。打って変わって好天となれば、思いは誰しも同じである。(写真家 太田威重/SANKEI EXPRESS)
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■おおた・たけしげ 写真家。1944(昭和19)年、東京生まれ。桑沢デザイン研究所卒。70年代後半から写真を撮り始め、80年代後半、バブル期の都市の荒廃を目にして以来、東京と猫をテーマに写真を撮り続けている。写真集に「東京−猫もよう」(平凡社)など。隔月刊誌「猫生活」(緑書房)に「東京町猫録」を連載中。


