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【探訪】戦国の地染める悠久の落日 滋賀県湖北地方 (1/2ページ)
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湖面をにぎわしたコハクチョウがシベリアに旅立ち、あたりは春の静けさをとり戻していた。対岸の山の稜線(りょうせん)とぶ厚い雲のすき間から、あきらめかけていた夕日が顔をのぞかせると、琵琶湖は一瞬にして真っ赤に染まり、浮島のアカメヤナギが美しいシルエットを見せてくれた。
滋賀県の湖北地方。オオワシやオオヒシクイ、コハクチョウなどの越冬地としても知られ、琵琶湖の中でも最も美しい四季を見せてくれる。「北近江」とも呼ばれるこの地域はまた、戦国時代の史跡が多いことでも知られる。
浅井・朝倉軍と織田・徳川軍が戦った姉川古戦場や浅井長政の居城・小谷城跡、秀吉が柴田勝家を破った賤(しず)ケ岳古戦場など、あちこちに日本の歴史の節目を彩った武将らの足跡をたどることができる。
だがここ数年、景観を台無しにする異変が起きている。春になると全国からカワウが繁殖のために飛来するからだ。大群が飛ぶ様子は黒い雲にも例えられる。繁殖地は琵琶湖の真ん中に浮かぶ竹生島(ちくぶしま)。昭和57年に5組の繁殖が確認されて以来その数は増え続け、現在は約3万4000羽(19年)。糞(ふん)害によって島の木々の多くが枯死してしまった。



