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【ムツゴロウのいのち万華鏡】神を感じる大地アラスカ 恋するクマに「野生の詩」を見た (1/5ページ)
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熱中するだろうなという予感はあった。日本を離れるに当たっては、オオカミやヒグマがいるしな、などと言訳を胸の内で繰り返したが、大自然のとりこになることは予想していた。
そして、アラスカ詣でが瞬く間に20回を超えた。すると、空港を素直に通れなくなった。係官が睨(にら)みつけ、荷物を隅から隅まで点検する。上着を脱がせ、ポケットを裏返しにしてゴミをブラシで掃き、それをルーペで調べた。
別室に呼ばれると、そこには温和な表情をした上級のインスペクターがいた。そして、釣りが好きなのかと訊く。
好きなんてものじゃない、人生の一部だと答える。キング、シルバー、レッドにパイク、何でもいいよと言い、一気に話が盛り上がる。相手は、あなたのような人にこそアラスカへきて貰(もら)いたいのだと、ハンコを景気よく押し、ロビーまでエスコートしてくれた。
アラスカ−−。
その第一印象は、まだ根深く私の中に巣喰っている。黒ぐろとし、色彩を圧(お)しつぶした感じがして、魔ものがとぐろを巻いている気配があった。







