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工芸とアートの境界を超えて…「工芸の力−21世紀の展望」から (1/2ページ)
部屋に増殖するえたいの知れない生き物、はたまた床に横たわる巨大なクリップ−。いま、東京・竹橋の東京国立近代美術館工芸館で開かれている「工芸の力−21世紀の展望」は、従来の工芸の枠をはみ出した奇抜な作品が目を奪う。工芸作家、あるいは工芸的な手法で制作する現代美術作家たちの作品は、工芸と美術との境界を超えた新たな世界を構築している。(渋沢和彦)
「工芸の力」展は同館の開館30周年企画として開かれている。同館によると「21世紀の工芸はどのような進展を見せ、どのような力を発揮するかを探る企画」という。陶、ガラス、漆、木、金属などの素材を使い、「素材と技術の密接なかかわりから造形を立ち上げる工芸的なアプローチによる造形」を創作する14人の作家の意外性のある作品を紹介している。
たとえば展示室のひとつをのぞくと、植物とも動物ともいえない正体の知れない巨大な有機的オブジェが置かれている。鍛金作家、橋本真之さんの作品だ。銅板を素材に鍛金の技術で制作。鍛金というと普通は小さな作品を連想するが、これは巨大で迫力十分。従来の鍛金とは異なり、溶接を駆使することで大型化を実現し、彫刻のような作品をつくり出した。
陶芸家、塩谷良太さんの作品も巨大。陶という工芸的な素材を用いながら、クリップをモチーフにした大小さまざまな作品を制作。全長2メートルを超える巨大作品が床に横たわる。まるで巨大な2枚貝が口を開けたようで、近づくと飲み込まれてしまうのではと、思ってしまう。
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彫刻家、北川宏人さんの作品は、土を素焼きしたテラコッタでつくられた男女の人体像だ。土を焼成した後にアクリル絵の具で彩色。鮮やかな色彩の等身大の作品が置かれた空間は、不気味に静まりかえる。漫画やアニメのキャラクターのような容姿は、細く中性的でフィギュアのようだ。



