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【アート】フェルメール 旅情誘う画家 (1/2ページ)

2007.12.5 08:34
このニュースのトピックス美術・芸術
《牛乳を注ぐ女》ヨハネス・フェルメール、1658〜59年頃、アムステルダム国立美術館蔵(c)Rijksmuseum Amsterdam《牛乳を注ぐ女》ヨハネス・フェルメール、1658〜59年頃、アムステルダム国立美術館蔵(c)Rijksmuseum Amsterdam

 17世紀オランダの画家、フェルメールは旅心を誘う画家であるらしい。現存するのはたった30点あまり。その魅力にとりつかれ、欧米各地に散らばった作品に会いに出掛ける人が後を絶たない。そんなひとり、17年かけて計36作品を訪ね歩いた作家の有吉玉青さん(44)に、フェルメールの魅力について聞いた。(黒沢綾子)

 画家の故郷オランダに7点。米国がその倍の14点。ほかにドイツ6点、イギリス5点、フランス2点、アイルランドとオーストリアが各1点。いずれも有吉さんが旅した時点での数で、真偽に疑いのある作品もある。最初に訪ねた「合奏」(米イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館)などはその半年前に盗まれており、まさかの“不在”だった。作品はまだ見つかっていない。

 旅の模様は、今夏刊行されたエッセー『恋するフェルメール』(白水社)にくわしい。「それにしても作品数といい、散らばり具合といい、絶妙ですよね」と有吉さん。

 そんな有吉さんの最愛の作品が、アムステルダム国立美術館所蔵の「牛乳を注ぐ女」だという。ちょうどいま、国立新美術館(東京・六本木)で開催中の「オランダ風俗画展」で鑑賞することができる(17日まで)。

 がっしりした体格の女性がひとり、素焼きの壺(つぼ)から平鉢へ注意深くミルクを注ぎ込んでいる。簡素な部屋の、左の窓から差し込む光、壁の白が、彼女の存在を浮き立たせる。

 静謐(せいひつ)で、緊張感に満ちた絵だ。らせんを描いて流れ落ちるミルクの音だけが、いつまでも聞こえる気がする。有吉さんは何度見ても、この「焼きしめられた陶器のような存在感」にノックアウトされるという。「本当の感動とは、言葉にならないものだと思い至りました」

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《牛乳を注ぐ女》ヨハネス・フェルメール、1658〜59年頃、アムステルダム国立美術館蔵(c)Rijksmuseum Amsterdam
作家、有吉玉青さん
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