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【アラーキーがゆく】ホーチミン編 ベトナムジャズに酔う

2007.11.10 08:30
このニュースのトピックス美術

 夜のホーチミン。繁華街のバーの扉を開けると、大音響のスイングがあふれ出した。「ジャズバー!? 驚いたね」。はじけるピアノやサックスのリズムに、アラーキーはうれしそうに体を揺らす。生のジャズを聴かせる店はホーチミン市内でここが唯一。ベトナム全体でも2軒しかない最先端スポットだ。

 この店、「サクソンアート」を経営するチャン・マィン・トゥアンさん(38)は、カイルオンというベトナム歌劇の役者だった両親のもとで音楽に目覚め、アメリカ留学もしたジャズの旗手である。「ジャズとカイルオンは本質が一緒。どちらも演者の創造力に委ねられた、自由で柔軟な音楽だから」とトゥアンさん。

 ステージの上。サックスを鳴らす彼に赤いドレスの女性ボーカルが近寄り、瞳を合わせた。「ほら、音が力強く艶やかになったろ。女は男に力を与えてくれるもんなんだよ。ヒュー!」。アラーキーは男女の熱いセッションを見逃さない。

 ところで、ジャズといえばベトナム戦争で交戦したアメリカの音楽だが、反感は? そんな問いに、トゥアンさんは「過去のこと。共産党員も閣僚もジャズを聴きに来てるよ」。実際、国民の嫌米感情は薄く、好きな国の調査をすると1位になるのは常に“夢の国”アメリカだそう。「おおらかだね。ベトナムの国民性って素晴らしい!」とアラーキー。

(荒木経惟)

 協力・ベトナム航空

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