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【幕末から学ぶ現在(いま)】(37)東大教授・山内昌之 立見尚文 (1/3ページ)
このニュースのトピックス:世論調査・アンケート
■不敗の将軍
日本史上、負けたことのない将軍がいたのをご存じであろうか。桑名藩出身の立見尚文その人である。立見鑑三郎こと尚文ほどの軍人は滅多に出るものではない。彼は、幕末から明治にかけて現れた最高の指揮官と謳う(うた)われている。
≪仏教官から近代軍事学≫
日露戦争で第4軍司令官だった野津道貫(みちつら)は薩摩の出身だったにもかかわらず、藩閥外の立見を「東洋一の用兵家」と高く評価した。幕末に江戸でフランス人教官から近代軍事学を修めた立見は、「ナポレオン時代のフランスに生まれていたなら、30歳になる前に将軍になっただろう」とも称賛されたほどだった。
立見については、歴史家も本格的な評伝をものしていない。最近、ある雑誌で日本最強の指揮官を選ぶアンケートに答えたことがある。私はためらわずに立見の名を挙げた。旧知の直木賞作家、中村彰彦氏に、「誰を選んだのか」と尋ねると、氏も立見を挙げたので大笑いしたものだ。立見のキャリアは、戊辰戦争から西南戦争を経て、日清日露の戦役にも及んでいる。立見の桑名藩は、鳥羽・伏見の戦いで旧幕軍の主力として戦いながら、敗北した。
そこで主戦派は、飛び地のあった越後(新潟県)の柏崎に移って抵抗を続けた。この時、24歳の立見が率いた75人の雷神隊など350ほどの桑名勢は、朝日山に迫った1000人の新政府軍を散々に打ち破った。奇兵隊の時山直八(なおはち)が戦死したのはこの時である。
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