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【次代への名言】手塚治虫編(6)
■「人の一生とはあらしのようなものだ。あらしのつよいときは風に身をまかせろ。あらしのよわまったときに全力を出し進め!!」(『W3(ワンダースリー)』)
昭和40(1965)年6月、『鉄腕アトム』に続くテレビアニメシリーズ『W3』の放映がはじまった。わんぱくだが心優しい少年と、ウサギや馬、カモに変身して飛来した3人の宇宙人が繰り広げる冒険物語。総監督を務めた手塚治虫が期待した通り、視聴率は上々だった。
ライバル局は翌年正月、裏番組に『ウルトラQ』をぶつけてきた。「アザラシやモグラのゴジラが登場する」との事前情報があった。危機感を覚えながら、手塚はテレビの前に座った。≪ぼくも驚いたが、ぼくの息子の興奮ぶりは凄(すご)いものであった。目はランランとかがやき、喰い込むようにゴメスとリトラ(初回に登場した怪獣)の猛威を見つめていた。(中略)「ああ、これで負けた!」と感じた≫(『観(み)たり撮(と)ったり映(うつ)したり』)
『W3』の最終回。3人の宇宙人は反陽子爆弾で地球を破壊するよう命じられるが、それを無視し、地球人として生きる道を選ぶ。この作品には科学に裏打ちされた輪廻(りんね)の思想もうかがえる。筆者は大好きだが、手塚は「作品としての評価は全然ない」。当時、彼は深い行き詰まりを感じていた。そして、この苦悩のなかから、『火の鳥』が飛翔(ひしょう)する。(文化部編集委員 関厚夫)
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